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鼻腔腫瘍について
鼻腔腫瘍とは、鼻の中(鼻腔)から発生する腫瘍で、進行すると眼や脳を圧 迫したり、皮膚を破って表面に出てきたりします。鼻腔腫瘍の多くは悪性腫瘍 であり、比較的進行が速いため、できるだけ早く検査・治療を開始していくことが重要です。

鼻腔腫瘍の症状
鼻腔に腫瘍ができると、くしゃみや鼻水、鼻出血(鼻血) 鼻梁あたりの膨隆や変形・進行してくると眼球の突出などの症状がでます。
初めは単なるくしゃみや鼻水の治療で通院していても、なかなか治らず繰り返しているうちに鮮血の含んだ鼻血などが出てくることで気づくこともあります。
また、鼻梁あたりの膨隆に気付き、ご来院いただくこともあります。

鼻腔腫瘍がさらに進行すると、 鼻腔の外へと腫瘍が進んでいき、鼻腔と接している脳や眼球が腫瘍で圧迫され、神経症状や、食欲不振、鼻出血、腫瘍の突出による自壊などとても痛々しい状況に陥ってしまいます。

鼻腔腫瘍の種類について
犬の鼻腔腫瘍のほとんどは悪性腫瘍です。
悪性腫瘍の中にも様々な種類があり、腺癌や軟骨肉腫であれば、悪性度が低く、転移することも少ないです。一方で、扁平上皮癌や移行癌であれば悪性度が高く、非常に進行が早いです。

鼻腔腫瘍の検査について
鼻腔腫瘍を疑う場合には、CT検査と組織生検を実施して診断を確定します。
CT検査では、鼻腔内の腫瘍所見、腫瘍が脳や眼球を圧迫しているか、リンパ節や肺の転移などを確認します。
CT検査と組織生検は麻酔をかけて同時に実施することが多いです。

鼻腔腫瘍の治療法
鼻腔腫瘍に対する現在推奨されている治療法は放射線治療になります。 ただし、放射線治療を実施しても根治することが難しい症例に対しては、外科手術や抗がん剤治療など他の治療法を併用することもあります

まとめ
鼻腔腫瘍は悪性腫瘍であり、気付いてからでは非常に進行が早く、根治が難しい病気です。くしゃみや鼻水が続いたり、鼻のあたりが腫れてきたなど些細な変化がればご相談下さい。